ミネラルについて
 

ミネラルについて
同じサプリメントとして摂取できるビタミンとミネラルには、大きな違いがあります。
ビタミンは炭素・酸素・水素・窒素などの数種類の元素がくっついてできた有機化合物なので、私たちの体内で分解することができます。しかし、ミネラルは元素そのものであるため、それ以上は分解できない最小単位
(必須微量元素)なのです。この必須微量元素は私たちの体重の5%を占めています。
つまりビタミンは体内で分解できるので安全領域が広いのですが、ミネラルは分解できない分、有効な働きをする安全領域が狭いということです。ということは、ミネラルの摂取にはビタミン以上の注意を持って過剰症に気を付けなければなりません。
このミネラルの役割は代謝も含めた体の機能を維持・調節することで、様々な細胞の構成成分にもなっています。性質的には、ビタミンは代謝の面で多いビタミンが一番少ないビタミンに足並みを合わせてしまうところがありますが、ミネラルは多いミネラルが少ないミネラルを支配するという焼肉定食・・・(^^ 失礼しました。。。_(._.)_ 弱肉強食の性質を持っているので、このミネラルバランスを理解することが大切になってきます。
このバランスを理解するのが面倒くさい人は、、、サプリメントでマルチミネラルなどのバランスの取れたものをお摂りください!以下を読んでいただければ分かりますが、より食品に近いサプリメントをお摂り下さい!
では、どうしても食品から摂りたいという人のために食品では何を摂ればいいのかを説明します。
ナトリウム・カリウム
代表的なナトリウムと言えば、『塩』があります。
塩は、このナトリウムと水道水の殺菌に使われている塩素の化合物で、塩として摂取されたナトリウムは血液中に電解質という形で存在しています。この電解質が大量に血液中含まれていると、脳はナトリウム濃度を下げるように指令を出し水分の補給を促します。すると血管全体の容量はほとんど変わらずに、血液量が増えるのでホースである血管内の圧力が上がってしまい、ある程度の圧力を越えると高血圧症と診断されるわけです。
ナトリウムの最低必要量は0.5グラム(500ミリグラム)。塩に換算すると約1グラムとあり、理想摂取量は3〜5グラムとなります。しかし、現代食での平均値は1人1日約13グラムも摂っていると言われています。この数値は理想摂取量の3〜4倍にもなり、明らかに塩分過剰の状態なのです。
このナトリウムを排出し血圧を下げてくれるのがカリウムです。
カリウムは主に名者食品である果物や野菜に多く含まれているのですが、非常に壊れやすい性質をしており調理中に相当量が失われてしまいます。それに加え調理をするときは塩分を付加するので、どうしても『高ナトリウム低カリウム』になってしまうのです。
過度の高ナトリウムはカリウムを一緒に排出してしまい、ますます低カリウムを助長してしまう危険もあります。また、それ以外にも「多量の発汗」「下痢」「利尿剤の使用」「コーヒーやアルコールの多飲」「甘味の暴食」などもカリウムが失われる要因となります。
カリウムが不足するとどうなるか?まず筋肉でエネルギーが作れなくなり力が出なくなって「かったるい」という状態になり、体を動かしにくくなります。さらに悪化すると心臓にも影響がでるのです。このような『高ナトリウム低カリウム』を改善するには、以下のことに気を付けるとよいでしょう!

1.できるだけ毎食一品は生の食品を摂る。
2.食塩を摂るときは、なるべくカリウムをはじめとするさまざまなミネラルが入っている粗塩を使う。
3.果物やドライフルーツは食べ過ぎには注意しながら毎日一回は食べるようにする。


かの以上の3点からみると、カリウム摂取にはバナナが最適かと考えます。
手軽に生の果物を摂取できるからです! バナナが苦手な方にはお勧めできませんが、それぞれ工夫をして生の食品・粗塩を摂るようにしていただきたいものです。


カルシウム・リン・マグネシウム
ここ20年以上の間に、カルシウムは国で定めた最低必要量である所要量の600ミリグラムを満たしたことがない唯一のミネラルです。しかし、カルシウムの働きは実に多彩で「骨や歯を丈夫にする」「イライラを抑える鎮静効果がある」「心臓やさまざまな筋肉の伸縮をスムーズにする」「血液を弱アルカリに保つ」等々の性質を持っています。慢性的に不足すると腰痛や肩こりがひどくなったり、怒りっぽくイライラしたり倦怠を感じたりもします。また骨粗鬆症の原因にもなるのです。
骨粗鬆症と言えばカルシウムの補給を考えますが、実は症状を改善するためにはカルシウムを摂るだけでは解決しません。以下の3つの点に気を付けることが骨粗鬆症にならない条件となるので覚えておきましょう。
a.たんぱく質・食物繊維・塩分・砂糖の過剰摂取はカルシウムの排出を促進するので過剰摂取は禁物です。
b.カルシウムとリンの摂取バランスの理想は1:1ですが、現在のカルシウムの摂取量は520ミリグラム。リンの摂取量は1300ミリグラムと1:2以上に開いています。
リンが多いと、カルシウムが追い出されてしまうので骨はますます弱くなります。現代食によるリンの過剰摂取の理由は、多くの加工食品に含まれているリン酸塩という食品添加物にあります。ですから、このリンの摂取を減らすことが必要なのです。肉は『高リン低カルシウム食品』です。比較的バランスのよい食品は、わかさぎ・シシャモ・チーズや牛乳なdの乳製品・煮干しなどです。
c.マグネシウムは体内で約300種類の酵素の補酵素ですから、非常に重要な栄養素です。また心臓が原因の突然死は、このマグネシウム不足が原因と言われています。またマグネシウムはカルシウムと一緒に摂ると筋肉の伸縮に役立ちます。摂取バランスはカルシウム2に対しマグネシウムが1というのが理想で、これは欧米では常識とされていることです。当然、カルシウムをサプリメントで補う場合は、マグネシウムも一緒に補給したほうがよいということになります。マグネシウムは和食に多く含まれているということを覚えておきましょう。

 
 
 
 

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